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「サスティナブル」と2025年問題の国産アパレル

いま、ファッション業界では、地球規模の環境問題で「サスティナブル」による、テーマで話題を呼んでいます。

世界の衣料市場規模は2兆5000億ドル(272兆円)に達するといわれています。

世界で排出されている温室効果ガスのうち、10%はファッション業界が生み出されています。

船舶や航空機業界より多くのエネルギーを消費しています。

このような状況の中で、日本国国内ではどのようになっているのでしょう。ちょっと分析してみます。

 

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超高齢化社の到来に伴う2025年問題が、アパレル業界に与える影響は、

「生産」と「消費」に大別できる。

まずは生産の問題。

国産アパレルの製造事業者数は90年以降、海外生産品との価格競争、仕事量の絶対的減少から約4分の1までに減った。生き残った先も商い環境は厳しくなる一方で、価格競争に翻ろうされた。人件費を圧縮するため定年を迎えた者を再雇用する、あるいは「技能実習生」として外国人を受け入れてきた工場も多い。

技術実習生は建前上「日本の優れた技術を途上国に移転する」制度であるが、工場は若い労働力として活用してきた。

制度開始から26年、劣悪な実習生の就業環境がたびたび報じられ問題視されてきた。だが、問題はそれだけではない。実習生は3年で帰国する。長く実習生に依存してきた先は後継技術者育成ができなかった。

この間、業界内ではインクジェット機の導入やIT化は進んだ。それでも世界に評価されてきたのは、ハンドプリント・縫製加工といった技術者の手作業だった。今の団塊世代のもつ技術は彼らが引退した後、どれだけ国内産地に残るのか。

 

そして消費の問題。

2025年、アパレル市場は厳冬の訪れが予想される。団塊世代が職業生活から引退すれば、仕事着がいらない。健康問題から家にこもることが増えれば外出着がいらない。

アパレルの支出額と年齢には相関関係があるが、(50代でピークを迎え、その後減少する)2025年以降、国民の5人に1人が75歳以上になるのだから、支出額は大きく減るだろう。

そして中心顧客層の弱体化が進む。いつの時代も若者はファッション市場に活力を与える存在であるが、時代の変遷にともない消費は変貌している。

昨年の若者はファストファッション、ネット通販、フリマアプリには熱心であるが、DCブランド、百貨店、ヨーロッパ輸入衣料に熱心だった団塊ジュニア世代と比べて、服にカネを使ってこなかった。2025年以降、彼らが30代・40代のアパレルの中心顧客層になる。可処分所得が増えたからといって、彼らが百貨店で買い物するか?ゼロの数が一つ多い服を買うようになるのか?想像に難しい。

しかも、今アパレル消費の中心層を担う団塊ジュニア世代は2025年頃を境にピークアウトを迎える。

つまり、現在停滞状況にある国内アパレル市場は社会全体の加齢に伴い、縮小を余儀なくされるとみる。

2025年まであと5年と3ヵ月。国産アパレルは今何をすべきか。どこに向かうべきかを早急に考える必要があると思う。