人間はエラーや愚かな間違いを犯す。デジタルストーカーがこの世にはびこる。
人間はエラーをする愚かな間違いも犯します。
ずいぶん前のことだが、サラリーマンで営業をしていた時、やらかしそうになったことがあった。
というのもある発注業務をした際、本来は100個と書くところを、1000個と誤って記載した。
インターネットもメールもないころなので、手書きの発注書をFAXしていた。
これが幸いした。1000個という異例の多さの注文が間違いないかを尋ねる電話が相手からかかってきた。
電話対応した上司は、もちろん訂正した。私は大目玉を食らった記憶がある。アナログに囲まれていた当時はヒューマンエラーを防止することが容易にできた。
連絡を取る手段が、ほぼ固定電話に限られていた時代は、親が気に入らない男からの電話を、娘に取り次がせないこともあった。
変な相手の毒牙にかからないように、親が防波堤となっていた。
親は子供に対して「知らない人について行ってはいけない」と言い聞かせたら、子供は知らない人にはついて行かなかった。
現代社会の光景は防波堤がなくなったことにより、気が付けば恐ろしいことになっている。
オフィスにおいては、みんなが黙々とパソコンの向きあっている。他人が、どのような業務をしているのか、商談がうまく運んでいるのか、はてはトラブルに巻き込まれているのか、まったくわからない。まさに、隣は何をする人ぞ、状態。
隣がエラーや不正行為をしていようが、誰も気付かない。
家庭では、固定電話などとっくの昔に姿を消していて、家族はみんな自分自身の携帯電話で外部とやりとりをする。親がテレビを見ているその横で、子供が携帯電話をいじくり、堂々と出会い系サイトを見ていたりする。防波堤はすでにない。
いま、「知らない人にはついて行ってはいけない」は通用しなくなっている。すでにSNS上で知り合った危険な人物に実際に会いに行き、事件や事故に遭遇するケースが後を絶たない。
小学生が、遠く離れた地方にいる危険人物とSNS上で知り合いになり、あろうことか危険人物の家までついて行くなど、ネットがなかった時代には考えられなかった事件。
アイドルが自分のSNSに何気なく投稿した写真が悲劇を招いた事件も記憶に新しい。その写真には当り前だがアイドルの瞳が映っている。そして瞳に映る建物から、アイドルが利用している駅名が危険人物により特定された。
その駅でアイドルを待ち伏せした危険人物は、アイドルを見つけて尾行。ついに自宅を突き止めて、アイドルに危害を加えた。
いわゆるデジタルストーカーというやつだ。
SNSは無防備そのもの。防波堤など、どこにもない。
文明の利器の発達は、人間の愚かさをますます増長させていくでしょう。