リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

今からちょうど100年前の1920年は禁酒法の施行日です。

今からちょうど100年前の1920年。

知っています?

この年の1月17日、アメリカにおいて合衆国憲法修正第18条が施行となり、飲用のためのアルコールの製造と販売が禁止されました。

悪法の成立には、19~20世紀にかけてけんえんなキリスト教の宗派メゾジストの後押しによって急速に発展した禁酒運動が大きな推進力となったといわれています。

f:id:yasuhirokamei0912:20200328004448j:plain

信仰心に沸く潔癖で禁欲的なメゾジストにとって

「酒は悪魔がもたらした最低な飲み物」でした。

しかし、酒は一般的な嗜好品として多くの人々が消費していて、法律で急激に全面禁止にしてしまったことに無理がありました。どうしても酒を飲みたくて我慢しきれない人が続出して、真っ当な酒造業者の経営を苦しめ、酒類にかかる税収も激減しました。しかも、酒の密輸・密造が横するようになって、これがギャングの資金源となった。

ギャングたちは縄張り争いでマシンガンによる銃撃戦を繰り広げた。昔のテレビドラマ「アンタッチャブル」に登場したシカゴのギャングの大ボスであるアル・カポネや、FBI捜査官のエリオット・ネス(本当は財務省酒類捜査局に所属)が有名です。

ただ、禁酒法は酒の消費そのものを禁じていたわけではなかったんです。”万物は神が造りたもうた” ものなので、酒自体に罪はない。造ったり売ったりする人間が悪いという解釈なのでしょう。個人が保存しているウイスキーを自宅で消費することは自由であった。また、カトリック教会でか礼拝に際してワインを飲むことができた。医師の処方箋があれば薬局でウイスキーを買うことができた。州によって禁酒法の施行が徹底されないことがあった。エリート階級が禁酒法違反で摘発されるケースも少なく、法の下の不平等が露呈することもあった。このように禁酒法には抜け道が多く、結構 ”ザル” だったようです。この法律は1933年に廃止となっています。

f:id:yasuhirokamei0912:20200328004738j:plain

 

現代の日本では酒税法未成年者飲酒禁止法が存在していますが、禁酒法のような全面禁止の法律が施行されたことはない。ただ、戦中戦後の酒不足の時代には密造酒が造られ、闇市で売り出されていた。粗悪品には毒性の強いメチルアルコールが含まれ、失明する人も多かった。だから ”目散る”アルコールとよばれたんです。

最近は「若者の酒離れ」が話題となっている一方、安価ですぐに酔ことができて、「コスパ」が良いとされるストロング系チューハイが人気ですね。しかし、これは人口甘味料を加えただけの ”エチルアルコール”という劇薬であるとして、多くの医療関係者が危険性を訴えているんです。

こうした商品のヒットが関係しているかは定かではないが、交通機関などで悪酔い客の暴力行為などのトラブルもよく耳にするようになりました。

法にによる規制強化を望む声も聞かれますが、

「酒は飲んでも呑まれるな」が基本。

まずは個人の自制心や節度ある企業の対応に期待したいものですね。

100年前の禁酒法をかえりみて思ったことでした。

みなさんもお酒を節度良くたしなんでくださいね。