コロナで起きた大学封鎖について
大学封鎖。
コロナ禍で大学のキャンパスが遠い存在となっているニュースが
毎日のように報道されています。
実際、大学1年生は4月の入学早々から自宅授業を受けている日々が続いていて未だ一度も登校していない学生がいる。
今月から始まる予定だった体面授業も、どうやら今年度はリモートでの
オンライン授業になることが決まっているという。
これでは、1年生たちは友人をつくることもままならない。
小中高校が授業を再開している中で、大学の封鎖(ロックダウン)は、
世界的な課題だ。
世代を表す呼称として、日本では戦後のベビーブーム期に生まれた
「団塊」や、1970~80年代初めに生まれた
「就職氷河期」、
平成初期生まれの 「ミレニアル」 などが知られるが、
国際労働機関(ILO)は、学業や就労の機会の縮小などのより
「ロックダウン」世代が出現する懸念を示している。
ILOによると、コロナ禍から大学閉鎖などで世界の若者のうち
65%は学習量が減少したとしている。
先月、立命館大学新聞が明らかにした同校の学生に対する
「秋学期以降の休学・退学を考えているか」 のアンケート結果では、
2.3%が 「退学を本格的に考えている」 と回答したというから驚きだ。
さらに 「退学を視野に入れている」 が9.8%、
「休学を視野に考えている」 と答えた学生は25.6%にも上ったという。調査を担当したのは統計を学んできた学生で、
「今の学生がどういう思いなのが、目に見える形で明らかにしたかった」
と話している。
新型コロナウイルスの影響で、対面授業や課外活動が制限された上、
学費への不満や経済的な不安が大きいことが背景にあるとみられ、
事態の長期化は 「うつ状態」 の学生を生み出す弊害も出てきている。また、慣れないオンライン授業の準備などで手いっぱいだったかもしれないが、大学から公式なコメントがないことにも違和感を覚える。
尼層として知られている瀬戸内寂著聴さん(98)は、
太平洋戦争がはじまった今からおよそ80年前、小説家を志す大学生
だった。 「100年近く生きてきた最晩年に、このような戦争と匹敵する
くらいの悲惨なことが身の回りに起きることは、夢にも思わなかった。
全く人の生涯は死んでしまうまでわからない」
と語った姿が印象的だった。
我々は生きる時代を選ぶことは出来ない。
出きる事は、生まれた時代を七転八倒しながら、必死に、懸命に生きていくことだけだ。
このような状況だからこそ、大学側は本腰を入れて学生たちと向き合って、勉学と同様、いやそれ以上に大事なことを伝えていく義務があると思う。