リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

仮説力の重要性についての説明です

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みなさん、知的でハードな仕事をしている人って

どんなイメージですか?

医者でしょうか、エンジニアでしょうか、弁護士でしょうか

よく返ってくる答えのひとつとして世界一のコンサルタント会社

マッキンゼーのことを思い浮かべるでしょう。

プレゼン1つしてもらおうと思ったら

数千万円以上かかります

就職偏差値もなんと74で超入社難関企業として有名です

優秀な東大生でも落ちまくります

ここに入社できただけで、正直超エリートです

有名な方で言うと、大前研一さんからはじまり

DNAの南波社長、日本交通の川鍋社長など

数多くの有名企業の経営者を輩出しています

戦略コンサルというのは

外部からクライアントの会社に入って

何十年もその会社にいる社長や役員をうならせるような

ロジカルで納得感のある提案をゼロからするわけです

百戦錬磨の役員たちをうならせる提案をわずか半日作ってきます

短時間でゼロから数千万円のフィーをとれる提案を作っていること

どうたやったらそんなスピードで良い提案をつくれるのか

その答えは、そのことをじっくり調べて、裏を取るのと思ったら

最初の数時間で一気に結論まで作り切るそうです

頭のいい人って、膨大な情報を一気に頭に叩き込んで

そん中で、緻密に分析して賢い提案をつくる

頭のいい人は、膨大な情報をインプットするものだと

思っちゃいますよね

でもれは、いかに本質にすぐに入り込めるかなんです

ほぼ調べずに仮説だけで結論をだす

この重要性について痛感するようになりました

事実ですけど

仕事が出来る人ほど、しっかり調べないんです

ほぼ調べずに仮説だけで結論をだす。この仕事のやり方を

仮説ファーストといいます

なぜ仮説ファーストによって、仕事の質が劇的にあがるのか

例えば

ある2人のコンサルタントが、渋谷にある赤字のラーメン屋の経営者から業績改善の依頼を受けました

一人は年収400万円の新人コンサルタントAさん

もう一人は年収2000万円の「仮説ファースト」を大事にする

エリートコンサルタントBさんです

このAさんとBさんの仕事の違いをみていきます

ふたりともラーメン業界については特に詳しいわけではありません

だから何か秘策を持っているわけではなくて

ゼロから自分で提案を考える必要があります

もちろん依頼を受けた以上は1度はお店に行っています

まず新人コンサルタントAさんのやり方

Aさんは自分はラーメンビジネスに詳しくないので

まずは情報を集めようと考えます

たくさんの情報をインプットすればどこかに答えがあるはずだ!

と考えたわけです

いざ動き出してみると見るべき情報は山ほどありました

ざっというと、お店収入(売上、原価、地代家賃、人件費)

顧客データ(属性、客数、滞在時間、新規、リピーと割合)

店の前の人通りの数、店周りの競合環境

ラーメン業界全体のトレンド、

そういった情報だけでなくて、成功したラーメン屋の事例など

調べだすと際限なく情報がありました

新人Aさんは、大変だなと思いながら

この情報を全部を一個一個調べていって

なにかヒントはないかな~って考えます

こういった情報は細かく調べだすとキリがないのと

それぞれのデータに対して、いくらでも解釈できてしまいます

だからどんなに調べても、本質的な問題は見つかりません

例えば、直近で麺の原価が上っているのを気付いたとします

その原因が、小麦の材料費が業界全体として上っているとしたら

考えても意味無いですよね

どうしようもできないわけですから

業績改善につながるのかもわかりません

でも、仮説をもたず調べちゃうと高騰している小麦を

もっと安く仕入れる方法はないか?なんて考えちゃうんです

調べだすと膨大な時間を消費します

みなさんも、なにか調べているうちに関連する情報をどんどん

見ちゃうことありませんか?

Aさんは、どんなに情報をあさっても良い提案が思い浮かびませんでした

そこで、Aさんはとりあえず 「お客さんの声を聞いてみよう」って

「競合と食べ比べて分析しようと言って、

自ら動いて、情報を集めることにしました

そういう調査をやっている間、仕事をした感はありました

ただ調査が終わってもお客さんの声はレビューサイトに書いてあったものと大差なかったんですし、競合との食べ比べもそれぞれよさがあるだけで、何の知見も得られませんでした

そうこうしているうちに、何のヒントも得られないまま

提案の日を迎えます

Aさんは追い詰められた結果、途中で思い浮かんだ

「斬新な新商品をつくる提案」にむりやりロジックをつめて

発表することになりました

もちろん、結果クライアントの評価はいまいちでした

次に、仮説ファーストを大事にするエリートコンサルタント

Bさんの場合です

Bさんは仮説を大事にしているので

いきなりデータを調べだしことはしません

先程のAさんの仕事のやり方では

仮説がないのでうろうろしている感じでした

Bさんは、まず最初に仮説を立てます

仮説を立てた後に調査・分析をするんです

つまり新人AさんとエリートBさんの仕事のやり方は真逆です

Aさんは調査、分析→仮説を立てる

Bさんは仮説を立てる→調査、分析をする

明確に違いますよね

Bさんは、まず何も調べずに、仮説で論理を積み上げていきます

今回は、赤字ラーメン店の業績改善です

利益を出すには、売上を上げるか、コストを下げるしかありません

全てのビジネスでこれ以外は絶対にありません

なので売上とコストをそれぞれ因数分解します

売上げは、客単価×客数ですね

客数をもっと分解するなら、新規客+リピート客とわけれれます

コストは材料費、人権費、家賃、光熱費なんかですね

ラーメン一杯に掛かる材料費のような変動費

家賃のように客数に関わらずかかる固定費にわけます

さて、このようにそれぞれ分解できました

どんなに情報をあさろうとも最終的な提案としては

客単価をあげる、客数を増やす、変動費を下げる、固定費を下げるしかないわけです

これだけでも、かなり思考は絞り込まれます

ここまでBさんは、何も調べていません

A4の紙一枚あればできます

さて、ここからは仮説ファーストの原則に基づいて

仮説を積み上げていきます

今回の案件は、いくら調べていないとは言っても

なんにも情報がないということはありません

依頼を受けた時点で、クライアントがどんなことに悩んでいるのか

店に行って食べたこともあるはずなので、その時に受けた印象

調べなくても一定の情報をもっているはずなんです

Bさんは元々、経営者のクライアントからこういった話を聞いていました

うちの店は古くて根強いファンはいる

特に競合のラーメン屋が近くにできたわけではなく

ここ数年でジワジワとお客が減ってきている

Bさんはその一言をもとに

次のような問題対する仮説を立てました

赤字に転落したのは客数が減ったから

客数が減ったのは徐々に魅力的な飲食店が周囲に増えて

相対的な魅力が減ったから

周囲には客層がかぶる1000円以下のチェーン店が増えている

味が良くてファンのリピート客がいるが、新規のお客さんが減っている

そして、その問題仮説に対して解決策の仮説を出しました

問題に対する仮説が正しかったとしても

それを解決できなければ何の意味もないからです

解決策の仮説は次のようなものでした

まず結論。

新規顧客を増やすために、外国人旅行者の集客を強化する

英語の看板やメニューを出したり海外レビューサイトへの評価を強化することです

これをやる理由は、

日本人に定番の安くて品質の高いチェーン店には太刀打ちできない

チェーン店ではない老舗という価値が海外客向けに優位性になること

ここまで一切調査をせずに仮説を立てました

そしていよいよ仮説を立証するために

調査・分析のアクションプランを作ります

問題の仮説を調べるために

客数の推移、3年前と現在の飲食店の分析

リピート客の変化について調査

3つだけです

仮説が明確なので絞込まれています

Bさんは調査の結果

自分の問題仮説が概ね正しいことがわかりました

そこで次に、外国人客の増やすという解決策について調べることにしました

調べる項目はこれです

渋谷駅周辺の外国人旅行客数

海外レビューサイトでの評価

老舗のほうが海外旅行者に人気であるというデータ

BさんはAさんに比べ調査に使った時間は10分の1以下でした

仮説ファーストの提案は論理が摘みあがっていて

根拠もしっかりしているのでクライアントは満足してもらえました

仮説を立てることで圧倒的に生産性を高めることができます