リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

鬼滅の刃を見て思う、「十三夜」ってご存知ですか。

こんばんは。

だんだん秋が深くなり、さすがに夜も寒くなってきました。

 

鬼滅の刃が流行っていますが、鬼と戦うシーンは夜で、なんだかこの秋の夜長をおもい浮かべてリアル感を感じてしまって、何だかアニメの世界にタイムスリップしたみたい。

悲しみ背負い 強く、明るく 「鬼滅の刃」心つかむ:東京新聞 TOKYO Web

 

「十三夜」 おご存知ですか。

今年は10月1日が 「中秋の名月」にあたったんですね。

秋の空にくっきりと浮かぶ丸い月を愛でた方もおられることでしょう。

月がひときわ美しいこの季節の「十五夜」に月見をする中秋の名月は、

平安時代に中国から伝わった風習で、旧暦では8月15日。

里芋などのイモ類を供えることから 「芋名月」 とも呼ばれているんです。

一方、そのおよそ1ヵ月後の旧暦9月13日は 「十三夜」 と呼ばれて、

今年は今日がまさしくその日にあたるんです。十三夜は日本古来の習わしで、今の時期に採れ豆や栗を供えるため 「豆名月」や「栗名月」と

言われています。

どちらも収穫した物をお供えし、月見をする習慣なんです。

昔は十五夜と十三夜の二度の月見のうち、どちらの風習が欠けると

「片見月」って呼ばれて、演技が悪いとうとまれたそうです。

もう一つのお月見「十三夜」を愉しむ! 「味玉」と「鶏つくね」の ...

 

秋の月は、季節の代名詞として昔から和歌に歌われたり、俳句に詠まれたり、あるいは小説の舞台としても描かれてきました。

樋口一葉(5千円札) の「十三夜」 もその一つなんですね。

一身分違いの男性、原田に見染められ、両親の言いつけのままに嫁いだお関は、ずっと結婚生活を耐え忍んできた。

しかし原田の仕打ちに我慢は限界に達し、子を残してまでも実家へと帰るんですが、父に論され涙ながら帰路へ着くことにする。

その道中、お関を乗せた車夫が、偶然にも、かつて淡い恋心を抱いていた昔の友、高坂であった。・・・

CyberBizKiz-Blog

気が優しく愛嬌のある青年だった彼も今では昔の面影はなく、

家庭を持っても放蕩癖(酒や女遊びにふけること。)は治らず遊びほうけ、ついには妻子にさられてという。

十三夜の夜、お関と高坂は憂いを胸にそれぞれの居場所へと帰っていく-。

樋口一葉】『十三夜』のあらすじ・内容解説・感想|純文学のすゝめ

 

代表作 「たけくらべ」 や 「にごりえ」 などを立て続けに発表して、

今もなお高い評価を得ている樋口一葉

数え年わずか25歳にして病に倒れ命を落とした若き作家は、

実生活では家庭の貧困に苦しんでいたといいます。

その早すぎる生涯を、いかなる想いで駆け抜けたのかは無論知る由もないが、十三夜の月の形のように不完全な故にはかなさを浮かびあがらせています。

 

今宵は十三夜。 「十三夜に曇りなし」と言うが、

そらは澄んでいるだろうか。中秋の名月はまんまるで眩いほどの輝きで人々を魅了しますが、満月へと満ちていく直前の十三夜もまた美しい。

お関の人生も、丸く満ちてきらめく時があったのだと、そう思いたいですね・・・。