「ほうれんそう」の「おひたし」の意味の深さをお伝えします。
「ほうれんそう」 の 「おひたし」
今、コロナの影響もあって、テレワークが盛んに提唱されていますね。
もちろん、得られるメリットは多々るでしょうし、ニューノーマルの働き方
として前向きに検討せざるを得ないことも事実ですが、
ともすれば 「(ホワイトカラー系の業種なのに) テレワークを導入できていない=悪」 の風潮にはしささか納得しかねる部分もあると思います。
ましてや、会社や現場、営業先で上司、部下、同僚、得意先と顔を突き合わせながら仕事を進めてきた中堅以上のビジネスマンにとっては、
いきなりディスプレイ越しだけでコミュニケーションを取れというのも、
多少酷な話ですしょうね。
組織においては名によりも 「ほうれんそう」 が大事と言われてきました。
「報告」 「連絡」 「相談」 なしに、円滑な業務遂行はなく、
特に下から上に対しての「ほうれんそう」は絶対とする企業も少なくありません。
しかし、今の時代は 「ほうれんそう」 だけではコミュニケーションは
成り立たないそうです。
下から上が「ほうれんそう」ならば、上から下は 「おひたし」。
「怒らない」 「否定しない」 「助ける」 「指示する」、略して「おひたし」。
『ほうれんそう』に『おひたし』、食欲がそそられてしまう組み合わせですが、とても心に響く言葉でもあったのです。
ある経営コンサルタントは「おひたし」の必要性についてこう話す。
「お」 感情にまかせて起こる事はNG。
ただし、相手のためを思って注意し、叱ることは必要。
「ひ」 は頭ごなしの否定はダメ。
一旦は部下の意見や言葉を受け入れてから、自分の意思を伝える。
「た」 は、いきなり助けようとはせず、部下が悩んだり困ったりしている時にまずサポートし、その結果を見て助ける。
「し」 は部下の 「的確な指示が欲しい」 とする気持ちに応える責任がある。
だからといって、何でも指示待ちにならないように、自発的な姿勢を尊重するために、部下が伺いを立てやすいような雰囲気を作っておくこと。
部下がほうれんそうという素材を出してきたら、上司はおひたしで返す。
部下を上手に使い、従わせるには、上司のマナーという調理の腕が必要だということです。
家庭料理の定番で、和食の基本中の基本ともいわれるほうれんそうのおひたしは、水気や浸けこみ具合、盛り付けなどそれぞれにポイントがあって、そこから一手間をかけることで味が一段とアップする。
一見簡単そうに見えても、奥が深いのだ。
上司と部下の 「ほうれんそうのおひたし」 も意思疎通の基本中の基本。「こんなことまで」 と軽視しないで、一手間かけることで、
コミュニケーションの出来上がりも変わってくるでしょう。
だが、面と向かってのみならず、ディスプレイ越しでもやれるのかと
問われたら、私はうなずけ自身がないですね。
果たしてこれは調理の腕の問題だけでなのでしょうかね。