雑感 ハンコの廃止について
雑感 ハンコの廃止
先日、自宅に佐川急便の配達員の人が通販で買った商品を運んできてくれました。
受け取りの認めのハンコを予め用意していましたが、
配達員が差し出したのは紙の伝票ではなくて、スマホ程度の大きさのデバイスでした。
「名字だけでいいですよ」 とタッチペンを渡されて、デバイスの液晶画面に手書きでサインするものでした。
佐川急便では5年前から電子サインを導入しているそうなんですが、
全然知らなかった。
日頃は留守にすることが多く宅配ボックスを使用していて、めったに対面で受け取ることが無かったからです。サインしながら「佐川さんもこれになったんですね」 と聞くと、その佐川男子はヘヘッと笑って行きました。
その数日前には、ケーブルテレビのSTB(チューナー)の交換でCATV大手 J:COMの工事の人にも来てもらっていた。
J:COMでもかなり早い段階から工事現場にタブレット端末を導入していて、設置作業以外はペーパレスになっていた。画面の上の必要事項をタッチペンで次々とタップして、最後に作業報告書の空欄にお客がサインして、それをハンディープリンターで出力する。
紙を使うのはこの客様控えだけ。お年寄りのお客もいるので、完全ペーパレスには出来ないんでしょう。
ちなみに家はマンションで、年一回の排水管清掃があって、管理会社
の下請け業者が作業にきます。
ここはペーパレスではないんですが、作業終了のサインのときは、
「個人情報になるから名前は書かないでください」と言われます。
代わりに部屋番号を書いて欲しいというんです。管理会社からそのように指図されているらしいんです。
この話をJ:COMの工事の人にすると、「ウチは工事だからフルネームでしっかりサインしていただきます」というんです。
家主ではなく同居人が勝手に工事を依頼して、後からクレームが来ることがあるため、誰からの依頼で工事を行ったかを明確にしておく必要があるためなんです。
ともあれ、今年になってハンコ廃止の機運が高まりましたね。
新型コロナで外出自粛や休業要請が出たとき、スーツ姿の男性が街角インタビューでたまたま「ハンコ」と発言した部分だけが切り取られて、
マスメディアでここぞとばかりに垂れ流されたのがきっかけだ。
今では河野行革大臣が押印廃止に躍起になっていて、11月12日の
報道で、印鑑登録が要らない 「認め印」 を使う政府の行政手続き
約1万5000件のうち、83件を除き廃止の方向が示されました。
これに先立ち、福岡市は単独で廃止できる申請書への押印義務を
9月末で全廃しました。
中国の後漢王朝から漢委奴国王と刻まれた金印を賜って、
日本で最初に ”ハンコ行政” を開始した福岡が、何の因果関係か知らないが、まさか最初にハンコを廃止してしまうとは思ってもみませんでした。