「鬼滅の刃」 では現代の鬼とは・・・
今年も残り少なくなってきました。早いものですね~
新型コロナウイルス禍でなにと暗い1年になってしまいましたが、
それでもいくつかにヒット商品が生まれました。
代表格はすでに世間で知らぬ者がいなくなったのではないかと思えるほど社会現象を起こしている 「鬼滅の刃」。
アマゾンサイトでキーワード検索すれば、コラボ商品が出てくる、出てくる。ランドセル、子供用のプルオーバーやカジュアルコートは言うの及ばず、大人用のアニメTシャツやパーカ、アクリルキーチェーン、抱き枕まである。
衣料品業界だけではないです。
巣篭もりから連れ出そうと、JRは複数のSL列車に 「鬼滅の刃」号を採用。
コンビニのローソンはクリスマスケーキ、おせち、さらに来年の恵方巻まで展開予定。
くら寿司はキャラクターにちなんだプレゼントキャンペーンで売上を伸ばしました。
この年末の大掃除に向けて、花王は 「全集中!年末そうじ」 キャンペーンを11月から開始。鬼殺隊にちなんで、「年末そうじ隊」がトイレや風呂掃除で活躍するという設定なのだとか。
これまでも人気アニメによるコラボ商品はいろいろありましたが、大人から子供までここまで広がるのは珍しい社会現象でもありますね。
さて、鬼と言っても系譜は様々です。「鬼の研究」で知られている馬場あき子さんは、鬼の系譜(けいふ)を次の5つに分類しています。
①日本民俗学上の鬼(祖霊や地霊)、
②修験道の山の鬼(天狗など)、
③仏教系の鬼(邪鬼、地獄卒)、
④人鬼系(放逐者盗賊)、
⑤変身譚系(復讐を遂げるために鬼となる)、
このうち、最古のものは民俗学上の鬼です。
「今昔物語」 が鬼の宝庫であるように、こうした鬼の出現は中世までがピークでした。
馬場氏は「般若は、三従の美徳に生きる中世の女性の鬱屈した内面が破滅に向かう相を形象化した」と解釈しています。
また、王朝繁栄の暗黒部に生きてきた人々、反体制的破滅者とも言うべき人々が、鬼であったともいう。
その鬼も「近世に至り、苛酷な封建幕藩体制が鬼の出現をさえ許さなかった。」と、滅びていった。
さて、現代の鬼とはいったい何か。
障がい者や子供など弱い立場の者へのいじめ、身勝手な殺人、宗教や主義の名を借りた紛争も続く。
いつの時代も鬼はすぐそばにいるのかも知れません。
そして、世の中が、人の心が荒めば荒むほど、鬼は増えていく。・・・
そういえば、永田町界隈では百鬼夜行が練り歩きのだとか。この行列も腐敗や墜落、乱脈を極める世に現れるというから、コロナ禍もあって
むやみに雨夜の闇に出歩かないほうがいいですね。自粛、自粛。