「獅子身中の虫」にならないよう
今日、テレビでニュースを見ました。
大手生命保険の元施行社員が、顧客から巨額のお金を騙し取ったとして刑事告発されたニュースです。
その額はなんと19億円に上るというのだから凄い。
よくここまでの金額を集め、かつ騙しとおせてきたものだ。どんな手を使ってきたんだろうか? と憤りよりも妙な感心が先に来るのは、なにも私だけではないと己の不謹慎さを棚に上げつつも、それよりも重要なのは、名だたる大手企業がここまで気付かなかった事実です。
一体、社内のコンプライアンスはどうなっているのか、と開いた口がふさがらない。騙した側と気付かなかった側、それぞれの実態に、違った驚きを受けた。
とはいえ、これを対岸の火事と傍観してばかりもいられないですね。
トップクラスの営業成績を誇る優秀なセールスパーソンが、詐欺や不正行為に手を染めていた事例は枚挙に暇がないことは歴史が証明しています。
いつ、何時それが自社に起こったとしても決して不思議ではないんです。朝は一番早く来て、帰りも一番遅くまで残る ”仕事熱心な社員” として上司の覚えもめでたく、周囲とも上手くやていた人物が、実は自爆営業や不正な取引で数字を吊り上げし、それが発覚しないよう、人けのない朝晩のオフィスで書類をせっせと改ざんしていたんです。
この類の事件の報道を聞くと、思い出す言葉があります。
「トップセールスマンには気をつけろ」。
もちろん、営業成績の優秀者、あるいは真面目で勤勉な者は軒並み疑ってかかれ、という意味ではない。
ただし、「実は・・・」という事態が仮に発覚し場合、当事者が成績優秀であったり勤勉であったりすればするほど、その被害は甚大になるケースが多いんです。
”〇〇が言うなら”と、多大な信頼を受け、社内の発言力が高まると、
さまざまな申請、提案が通すやすくなる土壌が生まれる。
そこに会社としての隙も生まれ、結果として良くない事になることも少なくない。判断、承認は公正公平にしましょうという戒めの意味で理解している。
社会人生活が長くなると、時折 ”わるいやつら” に遭遇する。
やっぱりあの人が・・・ よりも まさかあの人が・・・ のケースの方が多かったようです。
人は見かけによらないし、会社付き合いだけでは真の人格まではわからないですね。昨日までは頼りになるエース級社員が、一晩経ったら
「獅子身中の虫」にならないよう、上に立つ人間は色眼鏡を外して、フラットな視点で人物や仕事ぶりを常に洞察する必要がありますね。