「戦力の遂次投入」はやってはいけなかった。緊急事態宣言後の対処の不備
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年が明けて何ですが、去年の12月のお話。
12月14日、「忠臣蔵」 で知られる赤穂浪士討ち入りの日でした。
君主であった赤穂藩主、浅野内匠頭の仇を討つために、家臣47人が
吉良上野介の屋敷に討ち入り本懐を遂げた日。
チャンスは1度しかなくて、失敗は許されない。
リーダーの大石内蔵助は討ち入りに向けて周到なリサーチを行なって計画を立てました。
君主の仇を討つという明確な目的を一つに定め情報を収集し、吉良邸に討ち入ってからの各自の行動も役割分担が綿密に決められていました。
戦いの目的を達成するためにいかに戦略、戦術が大事かということがわかります。
一方、日本の歴史の中で戦略、戦術の失敗例とされるのが、
ガダルカナル島の戦いです。
1941年12月8日、ハワイ真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争。
わずか半年で日本軍はビルマ、フィリピン、インドネシアなどを占領するにいたり、さらに南太平洋奥地、サモア、フィジーに進出する野望を抱いていました。
その準備としてガダルカナル島に飛行場を設営しましたが、米軍が飛行場を襲撃、約半年にわたる攻防戦がはじまったわけです。
ガダルカナル島に上陸した米兵は総勢2万8000人に達したと言う。
これを予想していなかった日本軍は、少人数で夜襲を図って失敗。
次に6000人で戦いに挑んだものの、これも敗退。
そして第三陣は兵を1万5000人に増強したが、米軍の圧倒的な兵力の前で惨敗。
少しずつ戦力を投入するやり方を繰り返し、2万4600名の尊い命が失われてしまいました。
この惨劇から、 「戦力の遂次投入」はやってはいけないことの代名詞として、後に語り継がれことになる。
新型コロナウイルスとの闘いを戦争になぞらえる人もいます。
そうならば、敵の力を過小評価しない、巨大な敵に対しては最初から全力で対抗する、 というガダルカナルの戦いの教訓を思い起こさねばならない。
本気で戦おうと重い腰を上げた時には、それを実行する力は尽きているかもしれない、からです。
未知のウイルスを過小評価して、夏の暑さで死滅する、少し行動を抑制すれば流行は収まる、その感染力や性質を侮ってはいけない。
政府の対策をみると、緊急事態宣言解除後は小出しで自粛要請などのお願いばかり。
この一連の流れを見ていると、過去の失敗を繰り返してしまわないかと心配になってきます。
企業活動においても同じ。状況に応じて柔軟に対応するとうい策も有効ですが、やみくもに営業をかけたり、無計画に次々とキャンペーンを打ったり、中途半端に資金を投入するなど、戦力を小出しする遂次投入は避けたほうが賢明だったことは今を思うと明らかです。
やはりここは、早く緊急事態宣言を発表すべきでは。
ちょっと遅かったかな・・・
政府のコロナ対策に対して、「戦力の逐次投入だ」という批判をよく見聞きします。「戦力の逐次投入」とはもともと軍事戦略用語で、ビジネスでも使われるようになったものです。これは、「戦力を小出しにしていった結果、小さな敗北が積み重なって大敗に至る」というものです。