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トランプ事件による、アメリカ大統領選挙に思うこと・・・

今から100年前の1920年11月に行なわれたアメリカ大統領選挙で、

共和党のウォーレン・ハーディングが第29代大統領に当選しました。

投票率は60.3%となって、民主党のジェイムズ・コックスに圧勝しました。

ハーディングは、東海岸各州、五大湖周辺、中西部の州の大部分を制しましたが、コックスは南部の11州で選挙人を得るに留まった。

当時は東海岸とテキサス以外は人口が少なく、現在では大票田とされるカリフォルニアやフロリダの票も大勢を左右するほどではなかったんです。

選挙の争点は、第一次世界大戦終結後の国際連盟を中心とする世界秩序に積極的に関与すべきかどうかでした。

国際問題には極力介入せず、国内問題とアメリカ人の安全を最優先すべきだという孤立主義モンロー主義)の考え方が圧倒的多数でした。

もうこれ以上の外国の厄介ごとは ”No、thank you" でした。

穏健保守のハーディングは 「アメリカ・ファースト」 を旗印に、アメリカを戦時体制から平時体制へ復帰させ、内需拡大と工業化を推し進めようとしたことが多くの人々の支持を得た。

一方の民主党では、現職のウイルソン大統領が普遍的リベラルの人道的理念をグローバルに追求しようとしていました。

国際連盟の発案もその一つです。しかし、急増するアイルランド系やドイツ系移民に対するマイノリティ政策に失敗して支持率を落とした事が敗因となったんです。

泡沫(ほうまつ)候補としては、アメリカ社会党のユージン・デブスが反戦運動で逮捕されながらも獄中から立候補し、 「囚人番号9653」 として92万票を獲得しました。

デブスは労働運動活動家として過去に4度大統領選挙に立候補していました。無所属左派のバーニー・サンダース上院議員は「アメリカの労働者階級にとって史上最も効果的で人気のあるリーダー」と評されました。

また、全ての州の女性参政権が認められた初の大統領選挙であったことも特記すべきでしょう。

この100年前の大統領選挙と今回の大統領選挙を比べると、いくつかの類似点と相違点に気付かされます。

 

アメリカ大統領選挙、米国民の8割がバイデン当選と認識 一方13%は「まだ ...

 

トランプはハーディングと同様に「アメリカファースト」を標的にして保守ポピュリストの強い支持を得た。

一方のバイデンはコックスと異なり反トランプ派の票を結集できたため、類まれなる大接戦となった。

100年前のアメリカは、世界大戦で疲弊した欧州を尻目に世界覇権国への道を歩み始めたばかりでした。英仏に莫大な戦費を貸し付けた債権国として、国際社会での発言力を高めていました。

しかし、現代のアメリカは対外債務の膨張で衰退し、世界覇権国の地位から没落しつつありますね。社会の分断も決定的となってしまいました。

この二つの大統領選挙は、100年続いた「アメリカの世紀」の始まりと終わりの節目を象徴する歴史的大事件と言えるでしょう。

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