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根強いトランプ支持者に見る恐るべきプアー高齢者

 

日本の総人口が1億人を突破したのは1966年。

その後も人口は増加を続けましたが、2008年の1億2809万人をピークに減少に転じました。

高齢社会白書ひ2055年に再び1億人を割り9744万人になると予想しています。

同じ1億人の人口といっても、その時点の人口構成、高齢化には大きな違いがあります。

1966年当時の65歳以上の高齢者の割合は7%ほどだったが、2055年には38%まで上昇するとみられています。労働生産性、医療費、社会保障費など直接的な問題だけでなく、様々な課題が浮き上がってきます。

高齢者の「貧困率が高い国」 | 雨のち晴れの記

 

例えば、格差。2015年に時点で、高齢者3400万人のうち、約20%が金融資産1000万円以下・年金と所得の合計200万円以下の下流老人です。一方、金融資産5000万円以上・年金と所得の合計1400万円以上の金持ち老人は約15%。高齢者のふところ具合は二極化していました。

残りが中間層ですが、高齢者のうち収入が年金だけと言う人は約半分を占めます。こうした年金生活者が病気や事故によって一気に下流老人へと転落するという懸念は年々強まっています。中間層であっても、貧困社会という土俵下に落ちまいと必死に俵に足を掛けているのが現在。この貧困の先に待ち受けるのは、おそらく大衆の怒りでしょう。

米国ではドナルド・トランプ氏が再び復権に向けて政治活動を開始しました。共和党員として2016年大統領選に出馬して、まさかの大統領就任。アメリカ第一主義を掲げ、極端な発言で世界を様々な混乱に巻き込みました。米メディアはほぼ反トランプ一色に染まっていましたが、7000万人ともいわれるその岩盤支持層の中心は白人労働者でした。

2014年の米国の貧困率の統計をみると、4人家族で年収260万円以下の家庭の割合は14.8%でした。2000年の11.3%から貧困率は上昇を続けています。

米国は黒人の貧困率が高いものの、白人も2000年の9.5%から12.7%に増加してきました。プアー・ホワイトはそれまで政治家を「きれいごとを言うだけの人たち」と選挙で一蹴しました。貧しい白人社会のいらだちが、トランプ政権を生んだともいえます。

さて2055年の日本。

高齢者が人口の4割近くを占め、かつ貧困老人がさらに増加していけば、プアー・ホワイトならぬ プアー高齢者 が大きな選挙パワーを持つことにまるでしょう。資産は不平等でも、民主主義であるかぎり、投票による権力配分では多数を握る。しかも、英国の欧州連合離脱(ブクレジット)では若者の反対に対し、高齢者が賛成に回ったという実績もありました。高齢者は昔の栄光を忘れられないだけに意外にラジカルです。

トランプ支持者が極右勢力だけではなかったように、似たようなトランプ現象が日本でも起こらないとは言い切れませんね。・・・