見事な説明力に感服した。
12年ぶりにテレビを買い替えようと思って、家電量販店に行きました。
干支が一巡する間、テレビ売り場で真剣に商品を見たこともなかったので、その変化に驚きました。
12年前、初めて大型テレビを買うに際しl、プラズマと液晶で悩んだ記憶があるんですが、今はすでにプラズマは市場から姿を消していました。端的にはかつてベータビデオとVHSのように、あるいはHDDVDとブルーレイのように、覇権争いの末、各メーカーが生産を中止しました。
そして新たなテレビ 「有機EL」 が市場に登場しました。映像は色の点の集まで表現されて、その一つ一つの点をピクセルといいます。
詠唱テレビはバックライトでこのピクセルを光らせて色を出すんですが、有機ELは発光ダイオードのように自発光するのでバックライトが必要ないんですね。
販売員は「その分、テレビは薄く軽くエコになりました」というんです。
なるほどとうなずきながらプラズマに目をやると同じ55インチのテレビで有機ELは液晶よりも5万円高い。そして素人の目にはその5万円の違いがわからない、気に入らない。結局、液晶に決めたんですが、液晶テレビにも価格差があって、迷っていたところ「現品展示品特価」に目が行きました。
スマホで調べると、現時点で東芝の液晶テレビの最新最上位機種であることがわかって、さらに料金比較サイトの最安値よりも1万5千円も安いんです。これは掘り出しもではないかと、これに決めました、と言いかけたそのとき、販売員から思わぬ説明を受けました。
「現品展示品の意味を説明しますと、このテレビは1年前の発売日から展示を続けてきました。毎日9時30分の開店から22時の閉店まで休むことなく電源がついたままです。通常のご家庭では朝と夕方の使用で1日のテレビ使用時間は4~5時間程度かと思われます。よって1年
の展示期間中に通常のご家庭の2年半~3年分は使用したことになります。
液晶テレビの電源基盤は消耗品で劣化していきます。
現品展示品が2万円ほど安いのは、その使用分が安くなったとご理解いただければと思います。また現品展示品を処分する理由は新モデルの入荷が迫っているかなに他なりません。
今ご使用中のテレビに不具合がないのでしたら新モデルが発売されてからのご検討されてもいいかもしれません。もちろん、そのときに旧モデルの在庫が残っていればお安くなる可能性はたかいですよ」。
心の中で拍手したほど素晴らしく、納得のいく説明でした。
新モデルの発売を待まつことにしました。その際は、彼から買おうと思った。いくらネット通販全盛でも、リアル店舗の優れた販売員には敵わないですね。おもしろい一日でした。