ロシアの拡大自殺の心理
イスラム教で禁じられているものに、お酒、豚肉があります。
そして自殺もコーランで禁じられていて、イスラム教徒に自殺者は少ないといわれています。
命の長さを決めるのは神であって、自殺は罪というのが伝統的な教えなんです。
しかし、1983年の米海兵隊宿舎を襲ったベイルート自爆テロ事件以来、
過激なイスラム武装組織の自爆攻撃が続いてきました。おそらく、殉教は自殺ではない
というのが過激派の理論なんでしょうが、無差別テロを正当化できるものではありません。
精神科医の片田朱美さんの 「拡大自殺」という書物によると、米国の犯罪学者は
大量殺人を引き起こす要因を6つ挙げています。
長期にわたる欲求不満、他責傾向、破滅的な喪失、外部のきっかけ、社会的・心理的な孤立、大量破壊のための武器入手です。
理想と現実にギャップがあります。
その原因を他人に求める責任転嫁や被害者意識は、誰にも多少はある癖です。
破滅的喪失には、経済的困窮や絶望などがあります。悲観、厭世的(えんせいてき)となって自殺願望を抱く人もいます。
外部のきっかけとは、大量殺人の模倣のこと、このあいだあった、小田急や京王線で
連続した電車内凶行事件も模倣型。
孤立を深めて暴走するケースもさまざまな事件に共通します。
日本の場合、銃の入手が難しいため米国ほどの事件は起きていませんが、
もし銃が身近にあればわからない。
片田氏は、多くの無差別大量殺人は、赤の他人を道連れにした、 拡大自殺 である。
人生に絶望していることを認めたくなく、独りよがりの正義を振りかざして凶行に及ぶ、と分析する。
家族を巻き添えにした拡大自殺もある。親子心中、介護心中、引きこもりを苦にした
無理心中事件も後を絶たない。親側の問題で、子供が犠牲になるケースも多い。
一緒に死んだほうがこの子のため。は、一方的な親の考えの押し付けです。
我が子は私物ではない。統計上、介護殺人は独身の人に多くて、ほとんど一人で親の介護を抱え込んでいました。
介護離職して経済的にも困窮して、親の認知症が進んだ例も。
事件の加害者には女性より男性が多いという傾向もあります。仕事中心で生きてきた男性ほど、
悩みを周囲に打ち明けられず、介護の負担を一人で抱え込み、孤立しやすいからです。
被害者意識が強くなるほど、加害者を罰したいという欲求や、自分の正しさへの確信も強まる、のが人間のようなんですね。
だけど、加害者とは本人がそう思い込んでいるだけで、実際は的外れであることが多い。
長い欲求不満や憎悪、被害者意識、経済的破滅と孤立、大量破壊兵器による脅し。
どこかの国の破滅願望もまた、拡大自殺でなければいいのですが・・・・。