閉店ラッシュのパチンコ屋
日曜日、いつものとおりウォーキングに出かけました。
トンネルをくぐって大きな公園を渡り、田植え前の田んぼを越えて
ちょっと、ワークマンに寄り道。その後、通りを渡っていくのですが
その通り沿いにでかいパチンコ屋があるのですが、(正確にはあったのですが)
いつの間にか、閉店していました。電気は一部ついていたような感じですが、人気は
全くなく、廃墟のようでした。
実は、パチンコ店の閉店ラッシュが本格化しているんです。気がつけば、ある店が
ホテルとなり、またある店はコンビニに、ある店は母屋だけ残して廃墟化しているんです。
パチンコ・パチスロ市場は最盛期の1995年に30兆円超を誇っていたものの、
2020年には15兆円を割り込んでピークから半減しました。同じくピークの
1995年に約3000万人といわれた遊戯人口は710万人まで減らしていて、
こちらは半減どころか4分の1程度にまで減っていることになります。
他のレジャー・娯楽の伸びやスマホ市場の急成長などに余暇の過ごし方を奪われたことや、内規変更による高射幸性の台が排除されたことなどが要因で、最近のコロナ禍の影響もあったでしょう。
ピークの頃はハイリスク・ハイリターンの機種が人気を集めて、店側もそれを中心にそろえました。
運よく大当たりが連鎖すれば、1時間足らずで数万円の玉が出てくることも珍しくないですが、大当たりがなければ1万円は1時間と待たずに失われます。
結果、パチンコは遊戯やちょっとした時間つぶしとして気軽に楽しめるものではなくなり、ライトユーザーは店を離れはじめる。
パチンコ店の低迷傾向はピークから間もなくささやかれるようになったのが、実のところ産業の市場規模は変わらなかったんです。
要するに残ったヘビーユーザーが高額投資を顧みなかったからです。
「まだ取り返せる」 これの繰り返しによって生まれたのがユーザーの借金問題。
一撃の魅力に取りつかれたプレイヤーが相次いで借金を重ねていく。
これが社会問題化して、射幸性の高い機種は撤去されたんです。業界としての健全化は多少ス進んだんですが、一方で売上げを支えたユーザーの一部も店を離れたんですね。
その後、法規の網をかいくぐりながら射幸性が高めな台が再び市場に投入されるんですが、パチンコ店側では高射幸性に寄りかかるだけではなくて、台の遊戯レートを大幅に
下げたコーナーの設置といった取り組みも進めたんです。しかし、新規顧客、とりわけ
若者の取り込みに苦労して、遊技人口の減少は歯止めがかからないまま推移しているんです。
世間一般では必要のないものとして議論されることが多いパチンコ。
確かにこうしたギャンブル施設がありとあらゆるところに見られる光景は日本独特で、
諸外国からしたら異様に見えるんです。しかし、ここまで産業が成熟すると関わる人口
も膨大な数になっていて、雇用の問題が大な懸念材料となっているようなんですね。
パチスロかつてないほど規制がかかり、ここまで残っていた根っからのヘビーユーザー
でさえも見切りをつけ始めたんです。パチンコは規制と緩和を繰り返す中で今はこぞって射幸性の高い台が投入されていますが、この先もこのまま認められるとは限らない。
さらなる閉店ラッシュやメーカーの規模縮小が見込まれるパチンコ・パチスロ業界は
これからが冬本番ということでしょうか・・・。