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ビリー・アイリッシュ 若者の闇 共感を呼ぶ Z世代 グラミー賞4部門独占!

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ビリー・アイリッシュ グラミー賞4部門独占!

・<年間最優秀アルバム賞>
When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」 ビリー・アイリッシュ

・<年間最優秀レコード賞>
Bad Guy」 ビリー・アイリッシュ

・<最優秀新人賞>
ビリー・アイリッシュ

・<最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞>
「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」 ビリー・アイリッシュ

 


憂鬱、不安、孤独といったダークな心象風景を歌う17歳の女性アーティストが、世界中で大反響を巻き起こしている。

ビリー・アイリッシュが今年3月にリリースしたデビューアルバム「ホエン・ウイ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドウ・ウイ・ゴー」は、全米&全英のアルバムチャートで初登場1位を獲得。瞬く間にスターダムに駆け上がり、その後も世界各国でヒットを続けている。

ロサンジェルス出身の、2001年生まれの彼女は、「ミレニアル世代」に続く新たなジェネレーションとしてアメリカで注目を集める「Z世代」(1990年代後半~2000年生まれの世代)から生まれた初の世界的なポップスターだといえる。今回ではビリー・アイリッシュが人気を集めた背景から、彼女に共感するZ世代のマインドについて。

 

ビリー・アイリッシュのインスタグラムのフォロワーは5月中旬時点で2千万人超。SNSを使いこなしファッションセンスも注目を集める彼女だが、他の女性シンガーやセレブリティとの大きな違いは、セクシーさやキュートさのような女性的な魅力を前面に打ち出しているわけではないということ。むしろ彼女が支持を集めた最大の理由は、その内向的で陰鬱なセンスにある。

ベットの下に潜む怪物をもう1人の自分になぞらえた「ベリー・ア・フレンド」のように、彼女の楽曲の多くは自身の奥底にある闇をつづったもの。自殺やドラッグ依存をテーマにした曲もある。音楽性もユニーク。重低音のベースの乗せ、ささやき声のような小さな声でメランコリックなメロディーを歌うんです。

その由来は、彼女の特異な生育環境にもある。学校には一切通わず、兄フィニアスと共にホームスクールで教育を受けた。8歳から地元の聖歌隊に参加し、13歳で兄と共に作った楽曲をネット投稿し注目を集めた。14歳でメジャーレーベルと契約した後、現在も曲作りに携わっているのも兄と自分のみ。録音も自宅のベットルーム・スタジオで行なわれている。

様々な音楽に影響を受けたと語る彼女だが、中でも大きいのは今年グラミー賞を獲得したチャエルディッシュ・ガンビーノを筆頭にしたヒップホップ勢。「千と千尋の神隠し」など宮崎駿ジブリ作品を敬愛しミュージックビデオでは村上隆とコラボレーションするなど日本のアニメ文化の影響も大きい。

彼女の人気を決定づけた一つのきっかけは、ネットフリックスの人気ドラマ「13の理由」に楽曲が使われたこと。いじめや自殺、メンタルヘルスをテーマにした同作は、17年にネットフリックスで最も観られたドラマのの一つになった。

今、アメリカでは若者の自殺率の急上昇が社会問題になっている。若い世代の薬物や¥の過剰摂取による中毒死や自殺の増加もあり、17年には平均寿命が低下した。また、10代のうち70%が自分の周りで不安と欝が大きな問題になっている。

ここ数年、アメリカのヒップホップ界では不慮の死を遂げたXXXテンタシオンやリル・ウージ・ヴァートなど、憂鬱や希望死念慮をラップする「エモラップ」というジャンルの新たなスターも登場。

スマートフォンやSNSの負の側面も目の当りにしながら育ったZ世代としての特徴を示している。

ビリー・アイリッシュのブレイクは、そんなことを象徴しているのかもしれない。

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